8月31日(木曜日)

・午前を半休にした。図書館で借りた『ユートピアとしての本屋』を読んだ。著者が修士論文で取り上げたという『1984』が読みたくなったので、本棚から文庫本を取り出し、持って出た。駅前のサイゼリヤでランチハンバーグ。昔食べたお湯で温めるハンバーグの味がした。デザイナーと電話で打ち合わせを2件した。家でもできる内容なのにわざわざ出社したのは、月末の精算処理があるからだ。手書きで処理しなければならない書類があるのである。タスクをすべて終え、お客さんからの返事を待っていたら19時近くになった。ちょうど後ろの席の先輩もあがるというので一緒に会社を出て駅まで歩いた。一杯行く?と当然のように誘われ、行きましょうと即答した。家にいる妻の具合が気になったが、一杯だけ行ってくるとLINEで伝えて飲み屋に入った。我ながらわがままだなと、いま書いていて思う。

・生ビール2杯とハイボール1杯を飲んだ。家に着いたのは21時半ごろだった。妻はもう寝ると言って寝てしまった。別に怒ってはいないようだった。シャワーを浴び、歯磨きをしながら『アムリタ』を読んだ。明日も客先訪問があるので出社する。週4日も会社に行くのは疲れる。会社に毎日行っていた日々があったなんて、世界は変わったよね、やっぱり。

8月30日(水曜日)

・自宅から最寄りの駅まで歩くだけで、汗がひかなくなる。最近は保冷剤をハンドタオルにくるんで持って出かける。駅に着くと首筋や額にそれをあてて少しでも早く汗がひくように工夫しているつもり。でも電車に乗って冷房で冷やされてもなかなか汗がひかない。更年期だろうか。ならば仕方がない。

・今朝も早めに出て会社近くのタリーズへ。日記を書いてアップした。お昼過ぎから営業に同行して顧客を訪問。そこでもまた駅からビルまでの距離があって歩いた。案の定、汗が吹き出る。この暑さは9月に入ってからも続くみたいですねと先方の担当者が言っていた。

・19時近くまで残業をして帰宅。妻の体調がまだよくないので外飲みはあきらめ家でご飯。洗い物をしてからシンセを弾いた。ミスタッチが減ったことに驚いている。毎日少しずつ上達しているようだ。ぬるめのお風呂につかりながら坂口恭平『現実脱出論 増補版』をひろい読みした。通読したはずなのにほとんど内容を覚えていなかった。どこを読んでも、ちゃんと自分の言葉で書いているのがよく分かるから、読んでいて心地いい。

8月29日(火曜日)

・出社する日は、7時前に家を出て会社近くのタリーズで過ごしてから9時前に出社するか、10時勤務開始の時差出勤にしてゆっくり出かけるかのいずれかだ。今日は前者。タリーズで日記を書いてアップしてから出社した。ランチは焼き魚が食べたくなって魚金に行き鯖の塩焼き定食にした。いつもより脂がのってなく少し固い気がした。

・午後は先日ロケハンに行った社長撮影の本番で再び初台へ。取材も兼ねていたので夕方までかかった。行きは初台から歩いたが、帰りは新宿まで歩いて出てから都営新宿線に乗った。都庁の周辺を歩くのは久しぶりで、新宿駅の西口から南口のあたりも昔はよく来ていた気がする。観光だろうか外国人の姿も多い。夕暮れ時もまだ暑くて汗をかいてしまう。不快だ。生ビールをジョッキで飲みたいと思い、在宅勤務をしている妻にLINEを送ると、具合が悪くて寝てるという返事だった。ブックオフに寄って中小企業診断士の過去問を探したが見つけられなかった。他の資格系の本は大量にあるのに、なぜか中小企業診断士だけ見つからない。

・シャワーを浴びてから食事の支度。新宿中村屋の麻婆茄子の素を使って麻婆茄子を作り、秋刀魚を焼き、枝豆を茹でた。缶ビールがよく冷えていたので美味しかった。いつもは350ml缶を2人で分けて飲むのだが、今日は私一人がもらった。20時近くになった。朝、出かける前に洗濯機を回しておいたのだが、干せなかったというのでもう一度回してから外に干した。洗い物をして、シンセを弾いた。Aubade2020を譜面を見ずに弾けるようになった。シンセではなくピアノで弾いてみたい。ピアノが借りられる場所は見つけてあるので近いうちにきっと行く。

・歯磨きをしながら『アムリタ』下巻の続きを読んだ。スーツのパンツ(ズボン)のボタンが取れそうになっていたので針箱を出してきて直した。針に糸を通すための道具があるのだがそれを使うたびにいつも感心する。小さくて細かい、よくできた道具だなと思う。そしてとても便利だ。これがなかったら、いつまで経っても針の穴に糸を通せないだろう。ボタンを2つつけ直してから寝た。

8月28日(月曜日)

・今週は在宅勤務からスタート。金曜の午後を半休にしていたので、メールや回覧にコメントがたまっているかと思ったが、たいしてなかった。繁忙期ではない、この時期は仕事はゆるやかである。休みをもっと積極的に取りたいと思うのだが、進行中の案件がいくつかあるため、待ちの状態でいることが多い。2週間くらい、どかっと休んでみたいものだ。

・午後、社内勉強会にWebで参加していて急にひらめいた。中小企業診断士の勉強をしてみるのはどうだろうか。企業にアドバイスを行うという今の仕事の延長線上にもあるし、一応、経済学部を卒業しているし、何より、独立への道を具体的にできそうな気がする。ライターや制作ディレクターで独立するのはだいぶ気合いを入れないと難しい気がしていて、その根性が自分にはない。中小企業診断士を掛け算することで、個性も打ち出せるのではないだろうか。そんなことを考えていたら気分が盛り上がり、来年の試験日程などを調べ始めた。試験は毎年8月に行われている、そういえば、先日、台風で沖縄の試験が実施できずに救済措置がとられるとニュースで聞いた気がする。今から、ちょうど1年間。試験勉強するには短かすぎず長すぎず、やる気を保ちながら挑戦できるのではないだろうか。40代を終えるまでに資格をとって、50代でいつ独立してもいいように準備しておく。そんなイメージがわいた。

・昨日は私の頭痛がひどかったが、今度は妻が夜になって頭が痛いと言って寝込んでしまった。頭や肩をマッサージしてみたらそのまま寝てしまった。歯磨きしながらアムリタの下巻の続きを読み、中小企業診断士の資格取得について調べた。明日は撮影があるので朝から出社だ。早めに寝た。

8月27日(日曜日)

・市の中央図書館に久しぶりに出かけた。哲学、心理学、工業、建築、音楽、それから小説など、図書館ならではの分類と陳列の中をさまよい歩いて膨大な数の背表紙を眺めていると書店の棚を見てまわるのとはまったく違う刺激を受けるのが不思議だった。何かちゃんとした文章を書きたい気分がむくむくと湧いてきた。日記ではなく、論文のようなものを。論文なんて書いたことはないのだけれど。

・夜は頭痛がひどくて大河ドラマに続けてTBSドラマを見ている間もずっと痛くて、頭痛薬を飲むことにして飲んだらおさまって寝ることができた。薬はできるだけ頼りたくないのだが頭痛が長びくときだけは飲んでしまう。頭痛の原因が分からないのが気になる。

8月26日(土曜日)

・田んぼに着いて作業の準備をしていると軽トラがやってきてKさんだった。確か71歳。トラクターで田んぼを耕してくれたり、田植え機を貸してくれたり、折りに触れて私たちの田んぼ作業を助けてくれる。田んぼから見える山の向こう側の集落に住んでいる、地元の人だ。「実はなってる?」と聞いてくる。今年は雨が降る日が例年になく少なくて、田んぼの水が干上がってしまって参った。すぐ裏の山から水をひくのだが、山の水も水位がなくて水が田んぼまで来ないのだ。この田んぼを借りて4年目になるがこんなことは初めてだった。

・週末だけを使って、通いで稲作をしているので、なるようにしかならないと思っている。無理はしない。お米ができなければそれまで、また来年トライすればいいと思ってやっている。これまで、お米が取れないなんてことはなく、むしろ毎回とても美味しいお米ができている。でもさすがに今年の異常とも言える雨の降らなさには焦った。穂が出始めていちばん水が必要な時期に水がなくなっていたからだ。

・でも実はなった。しっかりとこうべを垂れている。稲からひと房、米粒をもぎ取ってKさんに見せた。実は一応なっている。来週には稲刈りをするつもりだとKさんに伝えると、今から水路をひらく手伝いに行ってくると言って去っていった。移住者で一人で田んぼをやっている人がいて手伝っているそうで、Kさんは私たちのような人に優しく面倒見がいい。耕作放棄地でわざわざ田んぼをやる人なんてなかなかいない、ということで褒めてさえくれるのだった。

南房総から戻ると、メルカリで買った『アムリタ』の下巻が届いていた。15分だけ読んでから寝た。

8月25日(金曜日)

・今日は朝から撮影に直行。早めに移動して客先の近くのドトールで待機。坂口恭平宮台真司のスペースの続きを聴いた。日記も書いてアップした。

・撮影を終えると会社へ行き、昼休みは取らずに13時過ぎまでにタスクを終えて早退した。午後を半休にしていたのだった。日本橋丸善に行き、本を物色。宮台真司の文庫を1冊買った。高島屋の地下でフォーを食べて帰宅。

・妻も午後半休にしていたので、支度をしてから南房総へ出発。今週末は金曜の夜から南房総入り。土曜の朝のうちに田んぼでの作業を終えるつもりだ。今年の稲刈りは来週末に実行することにした。市原のサービスエリアで晩ご飯。スタミナ焼き定食を食べたら、大量のにんにくチップがまぶしてあって、車の中が臭くなったと妻に嫌がられた。

Eテレ坂本龍一福岡伸一の対談番組をやっていた。2017年の再放送である。動的平衡の理論モデル化を試みているという福岡の図示した説明が、坂道をのぼろうとする輪っかの絵で、その輪は3分の1くらい欠けていて、欠けた両端のそれぞれでは合成と分解が行われている。合成と分解が絶えず行われることで輪っかは坂を転がり落ちることに耐え、坂をのぼろうとする。ただし、合成よりも分解のほうが活発に行われるため、輪そのものがだんだんと小さくしぼんでいく。それは生命の寿命をあらわしている。

・番組が放送された2017年は坂本龍一はすでに癌におかされていたとはいえ新作アルバムを発表しニューヨークでライブパフォーマンスも行っていた。5年前か。まだまだ生きていてほしかった。